sustainable, continuous, and recurring
Sustainable / 持続可能な🔗
SDGs
などでよく聞くようになった Sustainable
という単語。
「持続可能な」と訳すことが多い。
将来を見据えて継続可能な開発や発展。
ギターや楽器の文脈だと、音の持続や残響のことをサステイン( sustain )といっていた。
サステインを伸ばす方法
太い弦を張る。
フレット、ナット、ブリッジ等のパーツを高級品と交換する。
歪み系のエフェクターを繋ぐ。
シールドをワンランク上のブランドに交換する。
Continuous / 継続的🔗
システム開発や DevOps では CI/CD
という言葉がある。
Continuous Integration / Continuous Deployment
ソースコードを変更の度に都度 ビルド、統合、デプロイ をし続けることで統合時や実環境利用時における問題について素早くフィードバックを得る、という開発手法だ。
変更が積み重なって大きな塊になる前に小さな変更において都度細かくフィードバックを得ることで、問題のあぶり出しや把握、対処を簡単にしエントロピーの増大を避ける事ができる重要なプラクティス。
この Continuous
は「継続的」と訳す。
Recurring / 繰り返し起きる、循環性の🔗
スタートアップや SaaS ビジネスでは ARR
というのがとても重要な指標になる、ということを今の会社に入社して教えてもらった。
Anual Recuurring Revenue
これは日本語にすると 年間経常収益 ということが多い。 SaaS ビジネスはフロー収入ではなく既存顧客の継続サブスクリプションによる Fee を主体としてストックビジネスなので、サブスクリプションによる継続収入がどの程度になるかが非常に重要になる。 一般的に一度サブスクライブすると顧客は主体的に解約しない限り 現状維持 = 継続 であり解約は起きづらい。
再現性🔗
これらはまったく異なる領域の用語だが、その響きや力点には共通のニュアンスが多いように感じる。
「再現性がある」かたちでの継続。
SDGs では、10年後も100年後も維持できる人類の発展の仕方を考える。 そのためにはなんとなくうまくいったではだめで、こうすればうまくいくという根拠や実績が必要だ。 CI/CD では、1つ前に問題なくデプロイできたものは次の変更で問題が起きたときに速やかに切り戻すことで問題が解消することが当然に期待される。 この場合は 冪等性( Idempotent ) といったほうが馴染みがあるかもしれない そして、問題が起きた場合には優先して速やかに状況に対処し、同様の問題が起きないように回帰テストや E2E Test などでその問題単体ではなく将来を含めた解決を図る。 ARR は、既存顧客を維持できている実績が将来に渡って一定の確率で継続することが期待できると考える。 そして、そうなるための開発と運用を経営の視点で仕組み化していく。
粒度の細かさ🔗
もう1つ通奏的に感じるニュアンスは「粒度の細かさ」であると思う。
文明にしろ文化にしろ科学技術にしろ産業にしろ、大きな開発や発展はリターンも大きいが失敗した場合のダメージも大きく、またその場合に取り返しが難しい。 原子力発電の成功は電力供給の救世主となりうるが、一度事故画起きると人や土地や産業に数十年単位では追いつかないような爪痕を残す。 CI/CD ではとにかく変更や機能追加は細かく日々リリースしていくことが大切とされる。 複数の変更や機能追加をいっしょくたに含んだリリースは ビッグバンリリース と言って忌避すべき危険の兆候として扱われる。 『LeanとDevOpsの科学』では成功した IT 企業の多くにこのリリース頻度の相関関係も示されている。
SaaS 企業の ARR を考える際に、同じ売上を作るのであればビッグカスタマーの受注よりも小規模な多数の顧客を多様に受け入れることのほうが好まれる。 少数の大口顧客に依存したポートフォリオはそれら一部企業の選択の影響を受けやすく脆いからだ。
結論🔗
はとくにはなくまとまらない。
新聞を読んでも、アジャイルの本を読んでも、Newton を読んでも、 BigIssue を読んでも、似たなにかがここ 10~20年 トレンドになっていると感じた話を書き出してみた。
おまけ🔗
プログラマなら馴染み深い用語に Recursive
(再帰的な/再帰性の)というのがある。
株式会社 Recursive という、まさに SDGs を事業ドメインとしてスタートアップがあるのを発見した。
Recursiveは、日本に拠点を置き、SDGsに焦点を当てた最先端のAIモデルの開発に取り組む会社です。 私たちは、企業と協力して革新的なソリューションを生み出し、AIの研究やデザイン思考における専門知識とクライアントのドメイン知識を融合させています。
面白そう。